城のバルコニーで葡萄柄の着物を全身に纏った男が、雄牛のマークが四隅にある重厚な玉座に片足を踏み台に乗せ肝を据えどっかりと座っている。
貨の王はヒマラヤ山脈のような地上最大のパワーに満ちている。
利得の象徴である葡萄を全身に纏った姿は現世利益を体現しており彼はまさに出世観音のよう。
株式でいえば強気相場(雄牛)であり油が乗りに乗っているような状態か。
彼の懐に入れば誰しもが安心して暮らせそうである。
しかし、彼はみるからにお金持ちではあるが、どことなくかったるそうな様子でもある。
それは、次々に彼の元へ何がしかの世話を求めてやってくる人々の相手をするのに疲れているせいなのかも知れない。
1942 年のアメリカ映画『カサブランカ』の酒場カフェ・アメリカンを経営する主人公リックのようなイメージがどことなく漂ってくる。
また、クベーラはヴェーダ時代から存在する古い神格でインド神話の富と財宝の神でありヴァイシュラヴァナともいう。中国へ伝わる過程で武神の要素が加わり最終的に日本では毘沙門天となった。
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