73. とても強力なもののホストたちの主/פ/火星(“Book T”)
《大まかな意味》“Tabulated Rules”
念願・野望、戦い、戦争、勇気。皇帝と比較のこと。特定の組合わせの場合、破壊、危機、落下、破滅
《PKT》
悲惨、苦境、困窮、逆境、惨事、名誉失墜、欺瞞、破滅。特に予想外の災難が降りかかることを意味するカードである。
(逆位置)ある説明によると、(正位置と)同じ意味だが程度は弱くなる。さらには、圧迫感、投獄、制圧・暴虐。
《カード占いの手引き》“A Manual of Cartomancy”
《妖精の言葉》“The Quest of the Golden Stairs”
ドリームタワー──喪失、交友・交際、怖れ、時、解放:“ドリームタワーに行くこと、ただし一人でやろうとする人には辿り着けません。なのでまずあなたが来るのを待っている人を探しなさい”
《最後のステップ》“Steps to the Crown”
たいていの物事はそれが失われるまで正しく理解されないと言われます;この世は特異な例外です;諦めるまでその虚しさを正しく理解しないために、いつも容易に失われるのです。
《絵的な鍵》
【 6 】 【塔】 【黒色】 【稲妻】 【火事】 【落ちる】 【冠】 【隣に人がいる】 【二人】 【赤色】 【青色】
👉 ラベル:塔
《タロットの切り札》“The Tarot Trumps”
4 つの世界にはトーンは修正されているものの常に赤が存在する。ゆえに私たちは、鮮明なスカーレットが、アンバーで彩られた深い憂鬱な赤とヴァーミリオンへと影を落とすのを見出す。対比をなすグリーンの影は、赤を安堵へと投げ入れる役目をする。雷の途方もない破壊的な影響は、新しい形が出現するための道を作るために、確立された形を真っ二つに引き裂く、変化(死)あるいは昇華(吊され人)とは区別される革命、保守主義の反対としての破壊、怠惰を攻撃するエネルギー、自分自身を安楽と慣習の壁に囲んでいる状態からの激しい緊急脱出である。
《PKT》
このカードに対して付されたオカルト学的な説明は乏しく、錯綜したものである。このカードはあらゆる種の破滅を描いている、と示すのは怠慢である、というのもこのカードが表面的に描いているものそのものを述べたに過ぎないからだ。このカードが物質的な建物を暗示しているという意見すらあるが、私はこのカードの塔が、既出の 3 種のカード(女司祭長、司祭長、正義)で見てきた柱に比して、物質的にどうかというと、それ以上でもそれ以下でもないと思う。「これは文字通りアダムの堕天である」とするパピュの意見を裏付けるものは何も見当たらないが、彼の意見の代わりに他の意見 ──「これは霊的言語の実体化を表わしている」とするものもある。書誌学者のクリスチャンは次のように想像している、これは精神の転落であり、神の秘密に侵入しようと企てたためであると。どちらかというと私は大オリエ ント(実はウェイト自身のこと)の意見、これは「教徒の家」の破滅であり、邪悪がそこに蔓延してしまった時なのだ、それ以上に何よりも、これは 「教えの家」の分裂なのだ、という意見を支持する。ただし私は、それ(塔)が指し示しているものは「虚偽(「偽の教徒」「偽の教え」)の家」 である、と解している。このカードは、最もわかりやすい形で「主がその家を建てたのでなければ、その者たちが家を建てようとする努力は徒労に終わる」という古の真実も描いているのである。
この破局は直前のカード(悪魔)を反映したものだとする意見もあるが、その場合は私がそこ(悪魔のカード)で示そうと試みた象徴学的な面を反映したものではなくなる。より正確には、これは照応性の疑問なのだが;一つ(悪魔)は物質的な動物的な状態への転落に関わっているのに、もう一方 (塔)は知性面での破壊を示している。塔のカードは、驕り高ぶりに対する天罰と、神の秘密に侵入しようと企んだ知性の敗北だ、という風に言われ続けてきたが、(悪魔と塔の)どちらにせよ、生きながら苦しみ悶えている 2 人の人物についての説明はなされていない。一人は文字通り「妄語」であ り、他方は「誤訳」である。このカードは、さらに深い意味では、「天恵の終わり」をも意味するかもしれないが、この付随する疑問についてここで考察する余地はない。