67. 生命力の主/כ/木星(“Book T”)
《大まかな意味》“Tabulated Rules”
幸運、幸福(度を越さない範囲で)、また時として、このカードの側のカードの裏付けがある場合、一種の成功に酔った様態を表す
《PKT》
避け難い運命、運勢、成功、上昇、幸運、至福。
(逆位置)増長、あり余る程、過剰。
《カード占いの手引き》“A Manual of Cartomancy”
《妖精の言葉》“The Quest of the Golden Stairs”
お化けの出る井戸──オーメン、前兆:“運命の輪には親切な行為だけに巡ってくる妖精の国があります”
《最後のステップ》“Steps to the Crown”
誕生は束縛を生み死は束縛からの解放です。
《絵的な鍵》
【 10 】 【エゼキエルの幻視】 【アヌビス】 【テトラグラマトン】 【ヘビ】 【スフィンクス】 【本】
👉 ラベル:運命の輪
《タロットの切り札》“The Tarot Trumps”
生命の木の中で車輪は、ネツァク(勝利)からケセド(慈悲)を繋ぐ主要な円柱の形を取り慈悲の柱に置かれている。これは経験と進歩による変革である、光と闇の作用に入れ変えて置かれた、ゾディアックのステップ、螺旋階段、時間と永遠──下は冥界のキュノケファロス(犬の頭を持った人間)が取り仕切り、上はエジプトのスフィンクス、解放を成し遂げたときだけ解答が得られる永遠の謎かけ。
このトランプの基本的なカラーはブルー、ヴァイオレット、ディープ・パープル、イエローの放射線の入ったブルー。しかし、類人猿がマルクトの、スフィンクスが本来の色と黒である一方で、車輪のゾディアックのスポークは、スペクトラムであるべきだ。
《PKT》
この象徴においても私はまた、いくつかの改変を提示したエリファス・レヴィの(タロットの)再構築に従った。私がそれとなく指摘してきたように、それが我々の目的に沿うならば、エジプトの象徴を用いることは理に適っているのだ、そこ(エジプト)が(タロットの)起源であるとする説をほのめかすつもりはないにせよ。それでも私はタイフォンを蛇形で登場させているのだが、この象徴はもちろんエジプト特有のものではない。それに、エゼキエルの四種の生物がカードの四隅を占めているし、輪それ自身はエゼキエルの霊視に基づくレヴィの他の指摘に従っており、それによってタロット特有の鍵を描いたものとなっている。フランス人のオカルティスト(エリファ ス・レヴィのこと)の指摘によって、そして図案それ自体において、この象徴的な絵は流体的な宇宙の永続的な変動と、絶え間なく変化する人生を表している。スフィンクスがいるのはその均衡点である。「Taro(タロット)」を 「Rota(輪)」と読み替えられる文字が輪に刻まれ、神名の 4 文字(「YHWH」のヘブライ表記)と交互に配置されており──全て(のタロットカード)を通じて神意が込められていることを示している。しかしこれ(輪)は天の意図の範疇にあるものであるが、同様の意図で天の与り知るところではないものの例が四種の生物によって示されている。時々、スフィンクスは(輪の)上部の台座にうずくまった姿で表現されるが、これは「動中の静」という必要不可欠な概念を台無しにしており、象徴学を騙った偽物に過ぎない。
象徴において表現された一般的な注記の背後に横たわるものは、チャンスを拒むことと、そのチャンスに秘められた必然的結果(の回避)である。さらに次のことも付け加えておくと、レヴィの時代以降、このカードについて(さらにはオカルト学自体について)なされてきたオカルトの説明は全くもって馬鹿げている。原理を意味するだとか、多産、男の誇り、支配権、などと言われたりしている。これ(オカルトの説明)よりも、一般的な占いがその領域において発見してきた意味の方がましである。