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雲の上から大天使が赤十字の旗がついたラッパを吹き鳴らして救援に馳せ参じ、海に浮かぶ棺桶から蘇える人々は、氷河が解けるのを目のあたりに見るかのように、驚きと歓喜の面持ちで天使を見上げている。
赤十字の旗はセント・ジョージ・クロスを表し、ラッパを吹くこの天使は聖ゲオルギオスにちなんでいる。聖ゲオルギオスはギリシア語が由来で「大地で働く人」を意味する。西方では十四救難聖人の一人に数えられている。
現実的には彼は、忘れていることを思い出させたり、気づいていないことに気づかせようとしてくれる存在であったりする。
またよく見ると棺桶の中に立っている人々の中で、手前左側の男だけ諸手を上げて喜んでいない。彼の場合は厳しい宣告を受け、氷河期が訪れるのかも知れない。
最終的には、幸せな結末というのは自分自身で納得して生み出した答えの中にあるのかも知れない。
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