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トロイアの木馬

このカードをよく見ていると 2 つのシーンが浮かんでくる。

1 つめ:晴天の中、馬上の人が胸を張って意気揚々と、これ見よがしに杖の先に月桂冠をくくりつけ、リボンがたなびく方向へと矛先を変えて進む。しかし一緒に歩く人々は掲げられた月桂冠を見上げて驚いたり、行く先を微妙な顔付きで見ているかのよう。

馬上の人は意気揚々として新境地を開くのであるが、今まで馬上の人の恩恵に預かって来た人たちにとっては、晴天の霹靂のニュースであり、今後恩恵に預かることができなくなる可能性すらあり得るので、驚きと動揺が走る。

2 つめ:白い。この馬は、馬上の人や徒歩の人たちとは全く違う方向を向き、カードの中からこちらに向かって人間っぽい意味ありげな目つきを向けている。

この馬は不恰好で本物の馬のように見えないし、ウェイトの解説に「敵に門が内側から開かれてしまったような」と記されているので、ギリシア神話のトロイの木馬かも知れない。

そのため、裏切り、背信行為、といった意味が出てくる。

さらに現代ではソフトウェアのトロイの木馬もあるので、表面上は平穏な間柄でいられるが何かの引き金で悪くなるといった人間関係も表すようでもある。

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